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半減期の公式:放射性崩壊の計算例題と解き方

2026年11月7日読了まで2分
半減期の公式:放射性崩壊の計算例題と解き方

正午に試料の放射能が1200ベクレルを示しています。この同位体の半減期は6.0時間です。翌朝6時に検出器はいくつを示すでしょうか。答えは1200から同じ量を3回引いた値ではありません。半減期が1回過ぎるたびにその時点で残っている量の半分が減るので、読みは1200、600、300、150と進みます。このかけ算の規則こそが、半減期の公式の中身のすべてです。

この記事では、半減期が整数回だけ経過する単純な場合から、試験でつまずきやすい場合まで公式を使って解いていきます。端数の回数の半減期、2つの測定値から半減期を求める方法、崩壊定数への切り替え、原子核の数から放射能を求める計算、残った炭素14による年代測定です。これらの例題で練習する崩壊の技能は原子核物理のトピックにまとめています。

同じ崩壊法則の2つの書き方

放射性崩壊は、1個の原子核について見れば偶然に起こりますが、多数の原子核について見るときわめて規則的です。最初に崩壊していない原子核が N0N_0 個あり、半減期が T1/2T_{1/2} のとき、時間 tt 後に残っている数は次のようになります。

N(t)=N0(12)t/T1/2.N(t)=N_0\left(\frac{1}{2}\right)^{t/T_{1/2}}.

指数 t/T1/2t/T_{1/2} は、単に経過した半減期の回数です。整数である必要はありません。

教科書では崩壊定数 λ\lambda を使った書き方もします。OpenStax University Physics 第3巻 §10.3 は次の式を示しています。

N(t)=N0e−λt,λ=ln⁡2T1/2≈0.693T1/2.N(t)=N_0e^{-\lambda t},\qquad \lambda=\frac{\ln 2}{T_{1/2}}\approx\frac{0.693}{T_{1/2}}.

(12)t/T1/2=e−(ln⁡2)t/T1/2\left(\frac{1}{2}\right)^{t/T_{1/2}}=e^{-(\ln 2)t/T_{1/2}} が成り立つので、2つの書き方は一致します。問題文が半減期の回数で考えているときは半減期の形を、λ\lambda が与えられているか求められているときは指数関数の形を使いましょう。親核種の質量やその放射能についても同じ関係が成り立ちます。どちらも NN に比例するからです。

計算を始める前に、tt と T1/2T_{1/2} を同じ単位にそろえます。時間を日で割ると、もっともらしく見えて間違った数が出てきます。

例題1:半減期が整数回の場合

冒頭の試料に戻ります。A0=1200 BqA_0=1200\ \mathrm{Bq}、T1/2=6.0 hT_{1/2}=6.0\ \mathrm h です。正午から翌朝6時までは18時間なので、18/6.0=318/6.0=3 回の半減期が経過します。

A=1200 Bq×(12)3=1200 Bq8=150 Bq.A=1200\ \mathrm{Bq}\times\left(\frac{1}{2}\right)^{3}=\frac{1200\ \mathrm{Bq}}{8}=150\ \mathrm{Bq}.

簡単な表をつくると規則が目に見え、計算ミスにも気づけます。

正午からの時間経過した半減期の回数放射能
0 h01200 Bq
6 h1600 Bq
12 h2300 Bq
18 h3150 Bq

ついやってしまう誤答は、6時間ごとに600 Bqずつ引いて12時間後にゼロになるというものです。崩壊は残っている量に比例するので、1回ごとの減り方は小さくなっていきます。

例題2:半減期が端数回の場合

ある仮想的な同位体の半減期は8.0日で、線源には最初この同位体が40 mg含まれています。20日後に、この同位体はどれだけ残っているでしょうか。

半減期の回数は 20/8.0=2.520/8.0=2.5 です。公式はこれをそのまま扱えます。

m=40 mg×(12)2.5≈40 mg×0.177≈7.1 mg.m=40\ \mathrm{mg}\times\left(\frac{1}{2}\right)^{2.5}\approx40\ \mathrm{mg}\times0.177\approx7.1\ \mathrm{mg}.

大きさを確かめましょう。半減期2回後なら10 mg、3回後なら5 mgです。5 mgと10 mgの間に入る答えは正しく、しかも10より5に近くなります。各区間の初めほど曲線が急に下がるからです。10と5のちょうど中間の7.5 mgは直線的な見積もりであって、崩壊法則ではありません。

この7.1 mgは残っている親核種の量です。試料全体の質量が33 mg減るわけではありません。崩壊した原子の大部分は娘核としてそこに残っています。

例題3:2つの測定値から半減期を求める

純粋な線源について、検出器は800 Bqを示し、3.0時間後にはバックグラウンドを差し引いて500 Bqを示しました。半減期はいくらでしょうか。

半減期の形の式を、経過した回数について解きます。

tT1/2=log⁡2(A0A)=log⁡2(1.6)=ln⁡1.6ln⁡2≈0.678.\frac{t}{T_{1/2}}=\log_2\left(\frac{A_0}{A}\right)=\log_2(1.6)=\frac{\ln 1.6}{\ln 2}\approx0.678.

したがって

T1/2=3.0 h0.678≈4.4 h.T_{1/2}=\frac{3.0\ \mathrm h}{0.678}\approx4.4\ \mathrm h.

検算です。3.0時間で放射能は半分まで下がっていないので、半減期は3.0時間より長いはずです。半減期が負になったり、読みがまだ半分になっていないのに経過時間より短い半減期が出たりしたら、比を逆にしています。

減り方がちょうど2のべき乗なら、対数はいりません。10時間で960 Bqから240 Bqに下がったなら4分の1、つまり半減期2回なので、T1/2=5.0 hT_{1/2}=5.0\ \mathrm h です。

例題4:原子核の数から崩壊定数と放射能を求める

ある線源には、同位体の原子核が N=2.0×1015N=2.0\times10^{15} 個含まれています。この同位体の半減期は T1/2=8.0T_{1/2}=8.0 日です。放射能は何ベクレルでしょうか。

放射能は1秒あたりの崩壊数なので、まず半減期を秒に直します。8.0 d=8.0×86400 s=6.91×105 s8.0\ \mathrm{d}=8.0\times86400\ \mathrm s=6.91\times10^{5}\ \mathrm s。続いて

λ=ln⁡2T1/2=0.6936.91×105 s≈1.0×10−6 s−1,\lambda=\frac{\ln 2}{T_{1/2}}=\frac{0.693}{6.91\times10^{5}\ \mathrm s}\approx1.0\times10^{-6}\ \mathrm{s^{-1}}, A=λN≈1.0×10−6 s−1×2.0×1015≈2.0×109 Bq.A=\lambda N\approx1.0\times10^{-6}\ \mathrm{s^{-1}}\times2.0\times10^{15}\approx2.0\times10^{9}\ \mathrm{Bq}.

半減期を日のまま使うと、答えは1日あたりの崩壊数になり、ベクレルの値の約86 400倍になってしまいます。λ\lambda の単位が AA の単位を決めます。

例題5:答えが割り切れない炭素14年代測定

OpenStaxでは炭素14の半減期を5730年としています。ある木製品の1グラムあたりの炭素14の放射能が、同等の生きた木の30%でした。最初の比率が同じだったと仮定すると、何年前のものでしょうか。

t=T1/2log⁡2(A0A)=5730×log⁡2(10.30)≈5730×1.74≈9.95×103.t=T_{1/2}\log_2\left(\frac{A_0}{A}\right)=5730\times\log_2\left(\frac{1}{0.30}\right)\approx5730\times1.74\approx9.95\times10^{3}.

この木製品はおよそ10 000年前のものです。範囲を確かめましょう。残りが25%ならちょうど半減期2回分、11 460年です。30%は25%より少し多いので、年代はそれより少し短いはずで、実際にそうなっています。

この答えは、最初の比率が生きた物質と同じだったという仮定に依存しています。実際の放射性炭素年代測定の研究室では、大気中の炭素14の変動に合わせて較正を行います。ここでは物理の練習問題として扱い、研究室での年代測定とは考えないでください。

点を落としやすいミス

  • 同じ量ずつ引く。 半減期ごとに、その時点の量が半分になります。直線的な引き算はゼロに届きますが、崩壊法則は決してゼロになりません。
  • 時間の単位が混在している。 tt と T1/2T_{1/2} は同じ単位にし、放射能をベクレルで出したいなら λ\lambda は s−1\mathrm{s^{-1}} で表します。
  • log と ln を取り違える。 ln⁡2≈0.693\ln 2\approx0.693 ですが、log⁡102≈0.301\log_{10}2\approx0.301 です。比の log⁡10\log_{10} をとったなら、0.693ではなく log⁡102\log_{10}2 で割ります。こうした落とし穴は実は数学のミスだった物理のミスでも紹介しています。
  • 親核種と試料全体を混同する。 公式が追っているのは崩壊していない親核種で、試料全体の質量ではありません。
  • バックグラウンドを無視する。 実験で測った計数率には自然放射線が含まれます。比をとる前に差し引きましょう。

練習問題3問と答え

問題1. T1/2=15 hT_{1/2}=15\ \mathrm h の同位体が6400 Bqから始まります。60時間後の放射能は? 半減期4回分なので 6400/16=400 Bq6400/16=400\ \mathrm{Bq} です。

問題2. 半減期1.5回分が過ぎたとき、試料の何割が残っていますか。(12)1.5≈0.354\left(\frac{1}{2}\right)^{1.5}\approx0.354、つまり約35%で、25%ではありません。

問題3. バックグラウンドを差し引いた計数率が、36分で毎分1000カウントから125カウントに下がりました。半減期は? 比8は半減期3回分なので T1/2=12 minT_{1/2}=12\ \mathrm{min} です。

半減期の問題はほとんどの高校物理のカリキュラムに出てきます。A-level Physicsの対策ガイドでは、放射性崩壊が現代物理のほかの技能の中でどこに位置するかを紹介しています。どの課程でも手順は同じです。単位をそろえ、半減期の回数を t/T1/2t/T_{1/2} として数え、必要なら指数を端数のままにし、答えが前後の整数回の値の間に入っているかを確かめましょう。

よくある質問

半減期の公式は?
時間 t 後に残る量は N = N0 × (1/2)^(t/T) です。N0 は最初の量、T は半減期です。同じ法則は崩壊定数 λ = ln 2 / T を使って N = N0 × e^(-λt) とも書けます。
2つの測定値から半減期を求めるには?
最初の値を後の値で割り、その比の2を底とする対数をとると、経過した半減期の回数が出ます。経過時間をその回数で割れば半減期です。3.0時間で800 Bqが500 Bqに下がった場合、比1.6から約0.678回となり、T は約4.4時間です。
半減期を10回過ぎたら何も残らない?
モデルでは (1/2)^10、つまり最初の原子核の約0.098%が残ります。公式の上では量がちょうどゼロになることはありません。ただし小さな試料では原子核の数がいずれ非常に少なくなり、個々の崩壊の統計的なばらつきが無視できなくなります。
放射能と原子核の数は同じ半減期で減る?
はい。放射能は A = λN で、λ は核種ごとに一定なので、放射能は N と同じ割合で減ります。崩壊していない原子核の数が半分になれば、その核種による計数率も半分になります。ただしバックグラウンドや検出器の影響は別です。