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キルヒホッフの法則:節点と閉路を計算例で解く

2026年10月20日読了まで3分
キルヒホッフの法則:節点と閉路を計算例で解く

電池が2つ、抵抗器が3つある回路で、小さいほうの電池を電流がどちらへ流れるか問われたとします。多くの人は、電池なら正極から電流が出るはずだと考えて矢印を描きます。しかし次の回路ではそれが間違いで、計算結果が負の数として教えてくれます。この負号を正しく解釈することが、キルヒホッフの法則を使う重要な部分です。

ここでは2つの法則と、部品を通るときの符号表を紹介し、あえて電流の向きを間違えて仮定した2閉路の回路を解きます。最後に、直列・並列の合成から始められない典型例、ブリッジ回路を扱います。すべて理想的な導線と内部抵抗のない理想電池を使い、定常状態の直流を仮定します。

節点の法則は電荷の収支

節点は、3本以上の導線が合流する場所です。キルヒホッフの第1法則である節点の法則、または電流則は、節点に入る電流の合計が出る電流の合計と等しいと述べます。

∑Iin=∑Iout\sum I_{\text{in}}=\sum I_{\text{out}}

OpenStaxのキルヒホッフの法則の章は電荷保存から説明します。電流は電荷の流れで、導線の中に電荷はたまらないため、節点に入った分は必ず出ます。1本から3 Aが入り、別の1本から2 Aが出るなら、3本目からは1 Aが出ます。

すべての節点に法則を使えますが、節点が nn 個ある回路では、独立した式は n−1n-1 本だけです。最後の1本は、それまでの情報を繰り返します。

閉路の法則は電位の収支

キルヒホッフの第2法則である閉路の法則、または電圧則は、閉じた経路を1周した電位の変化の和がゼロになると述べます。

∑ΔV=0\sum \Delta V=0

出発した地点へ戻り、1つの地点の電位は1つだからです。OpenStaxはこの法則をエネルギーに結び付けています。電源が電荷へ与えた分は、閉路のほかの部品へ移ります。

法則は単純ですが、符号で失点しやすくなります。次のように決めておきましょう。

通過する部品たどる向き電位の変化
抵抗器 RR仮定した電流 II と同じ向き−IR-IR
抵抗器 RR仮定した電流 II と逆向き+IR+IR
電池 ε\varepsilon負極から正極へ+ε+\varepsilon
電池 ε\varepsilon正極から負極へ−ε-\varepsilon

OpenStaxも同じ4つの規則を示しています。2点に注意してください。抵抗器の符号は、まだわからない実際の電流ではなく、自分で描いた電流の矢印で決まります。電池の符号は先に通る端子だけで決まり、電池を通る電流の向きには依存しません。

向きを誤って仮定した2閉路の回路

上下に水平な2本の導線を考えます。上は節点A、下は節点Bでつながり、その間に3本の鉛直な枝があります。

枝下から上へ含むもの仮定した電流
左正極が上の12 V電池、その上に2 Ωの抵抗器上向きにAへ入る I1I_1
中央3 Ωの抵抗器下向きにAから出る I2I_2
右正極が上の3 V電池、その上に3 Ωの抵抗器上向きにAへ入る I3I_3

I1I_1 と I3I_3 の矢印は電池の正極から出ています。自然な仮定ですが、3 V電池については間違いです。避けようとする必要はありません。この方法なら解けます。

節点A。 電流が2つ入り、1つ出るので、

I1+I3=I2I_1+I_3=I_2

左の閉路。 Bから左の枝を上がり、上の導線をAまで進み、中央の枝をBまで下がります。12 Vの電池を負極から正極へ通るので +12+12、2 Ωの抵抗器を I1I_1 と同じ向きに通るので −2I1-2I_1、中央の枝を I2I_2 と同じ向きに下がるので −3I2-3I_2 です。

12−2I1−3I2=012-2I_1-3I_2=0

右の閉路。 Bから右の枝をAまで上がり、中央の枝を下がります。

3−3I3−3I2=03-3I_3-3I_2=0

未知数3つに対して独立した式が3本です。解いてみましょう。

解いてから負号を解釈する

右の閉路の式は I2+I3=1I_2+I_3=1 となるので、I3=1−I2I_3=1-I_2 です。節点の式から I1I_1 を I2−I3I_2-I_3 に置き換え、左の閉路に代入します。

12−2(I2−I3)−3I2=0⇒12−5I2+2I3=012-2(I_2-I_3)-3I_2=0\quad\Rightarrow\quad 12-5I_2+2I_3=0

さらに I3=1−I2I_3=1-I_2 を代入すると、

12−5I2+2−2I2=0⇒I2=2 A12-5I_2+2-2I_2=0\quad\Rightarrow\quad I_2=2\ \mathrm{A}

です。したがって I3=1−2=−1 AI_3=1-2=-1\ \mathrm{A}、I1=I2−I3=2−(−1)=3 AI_1=I_2-I_3=2-(-1)=3\ \mathrm{A} となります。

I3I_3 の負号がここでの主な学びです。大きさ1 Aは正しく、向きが矢印と反対です。電流は右の枝を下向きに流れ、3 V電池の正極へ入ります。OpenStaxも、誤った向きに仮定した電流は負の結果になるが、答えとしては正しいと述べています。

符号ミスを防ぐ習慣は2つです。

  • 矢印を逆にして最初から解き直さない。 式は最初に描いた矢印に基づいており、互いに整合しています。
  • 後の式でも負号を保つ。 I1=I2−I3I_1=I_2-I_3 の I3I_3 に −1-1 を入れて初めて3 Aになります。負号を落とすと1 Aとなり、誤りが広がります。

物理的には、12 V電池が3 V電池を逆向きに電流を流すよう駆動しています。そこに充電できる電池を置けば、充電される状態です。連立方程式が難しければ、実は数学のミスである物理の間違いで2つの未知数と連立方程式の節を確認できます。

2つの方法で検算する:節点電圧と電力収支

節点電圧。 どの枝もAとBをつなぐため、電位差 VA−VBV_A-V_B は同じはずです。中央は 3×2=6 V3\times2=6\ \mathrm{V} です。左では電池が電位を12 V上げ、抵抗器で 2×3=6 V2\times3=6\ \mathrm{V} 下げるので6 Vが残ります。右では 3−3×(−1)=6 V3-3\times(-1)=6\ \mathrm{V} です。3本の枝で同じ答えになります。

電力収支。 OpenStaxは、電源が供給する電力と他の部品が受け取る電力を比べて、キルヒホッフの解を確かめることを勧めています。ここでは次のとおりです。

部品電力
12 V電池、正極から3 Aが出る12×3=36 W12\times3=36\ \mathrm{W} を供給
2 Ωの抵抗器、3 A32×2=18 W3^2\times2=18\ \mathrm{W}
中央の3 Ωの抵抗器、2 A22×3=12 W2^2\times3=12\ \mathrm{W}
右の3 Ωの抵抗器、1 A12×3=3 W1^2\times3=3\ \mathrm{W}
3 V電池、正極へ1 Aが入る3×1=3 W3\times1=3\ \mathrm{W} を吸収

供給電力は36 W、吸収電力は18 + 12 + 3 + 3 = 36 Wです。3 V電池を電力の受け取り側に数えて初めて収支が合います。先ほどの負の電流を、エネルギーで表したものです。I3I_3 を+1 Aと誤解すれば、6 Wの差が出ます。

直列・並列にまとめるだけで済む場合

直列回路と並列回路のガイドでは、分岐のない1本の経路または同じ2つの節点を共有する抵抗器の組を見つけ、まとめて繰り返します。この方法が使えるなら使いましょう。キルヒホッフの法則をあらかじめ適用した形だからです。

使えない状況は2つあります。1つ目は上の回路です。別々の枝に電池があるので、どの2本の枝も抵抗器1つへまとめられません。2つ目はブリッジ回路です。電源12 VをAとBの間につなぎます。左の枝はAから1 Ωの抵抗器を通ってC、次に4 Ωの抵抗器を通ってBへ進みます。右の枝はAから4 Ωを通ってD、次に1 Ωを通ってBへ進みます。CとDを2 Ωのブリッジ抵抗器でつなぎます。

ここでは同じ2つの端点を共有する抵抗器の組も、分岐のない単一経路の組もなく、合成を始められません。OpenStaxは、このような回路が多いと述べています。代わりに、Bを0 Vとし、CとDに節点の法則を使います。

12−VC1=VC4+VC−VD2,12−VD4=VD1+VD−VC2\frac{12-V_C}{1}=\frac{V_C}{4}+\frac{V_C-V_D}{2},\qquad \frac{12-V_D}{4}=\frac{V_D}{1}+\frac{V_D-V_C}{2}

解は VC=8 VV_C=8\ \mathrm{V}、VD=4 VV_D=4\ \mathrm{V} です。したがってブリッジにはCからDへ2 Aが流れ、電源は6 Aを供給し、全体の合成抵抗は2 Ωです。Cで確かめると、1 Ωの抵抗器から4 Aが入り、4 Ωの抵抗器へ2 A、ブリッジへ2 Aが出ます。

ブリッジを無視して、2本の枝を5 Ωずつの並列として扱いたくなるかもしれません。その場合、2.5 Ω、4.8 Aとなり、実際の6 Aより20パーセント低い値です。この近道が有効なのは、ブリッジが平衡のときだけです。2本の枝が同じ比率で電圧を分け、CとDの電位が等しく、間に電流が流れない場合です。ここでは左の枝の上が1 Ω、右の枝の上が4 Ωで、比率が逆なのでブリッジに電流が流れます。

答え付きの練習回路を2つ

1. 両方の電池が電力を供給する。 上の2閉路と同じ配置で、左の枝は12 V電池と3 Ωの抵抗器、中央は2 Ωの抵抗器、右は9 V電池と3 Ωの抵抗器です。電池の正極は両方とも上です。3つの電流を求め、電力を確かめてください。答えは I1=2 AI_1=2\ \mathrm{A}、I2=3 AI_2=3\ \mathrm{A}、I3=1 AI_3=1\ \mathrm{A} で、すべて最初の矢印と同じ向きです。VA−VB=6 VV_A-V_B=6\ \mathrm{V} となります。電力は 24+9=33 W24+9=33\ \mathrm{W} が供給され、抵抗器で 12+18+3=33 W12+18+3=33\ \mathrm{W} が消費されます。

2. 平衡なブリッジ。 同じブリッジの形で電源12 V、左は1 Ωと2 Ω、右は2 Ωと4 Ωを上から順につなぎます。ブリッジ抵抗器は任意の値です。ブリッジと電源の電流を求めてください。答えは VC=VD=8 VV_C=V_D=8\ \mathrm{V} なので、ブリッジ電流は0 Aです。2本の枝は3 Ωと6 Ωの並列で、合成抵抗は2 Ω、電源電流は6 Aです。この場合に限りブリッジを無視できます。

符号に迷わなくなるまで練習する

どの回路でも手順は同じです。最初に矢印を描き、節点の法則を使い、符号表に従って閉路の式を書き、解き、符号を解釈し、電力を確かめます。違いは負号を見てもためらわずに進められるかどうかです。キルヒホッフはA-Level Physicsの学習計画の電気の単元に含まれます。コンデンサーの回路にも同じ習慣が役立ちます。コンデンサーの直列と並列のガイドでも節点での電荷保存を使います。

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よくある質問

キルヒホッフの2つの法則は何ですか?
節点の法則、つまり電流則では、電荷が保存されるため、節点に入る電流の合計と出る電流の合計が等しくなります。閉路の法則、つまり電圧則では、閉じた経路を1周したときの電位の変化を足すとゼロになります。
キルヒホッフの問題で電流が負になったら何を意味しますか?
実際の電流が、最初に描いた矢印と逆向きだという意味です。大きさは正しく得られています。後の式でも負の値を保ち、最後にだけ向きを読み替えてください。
式はいくつ必要ですか?
未知の電流1つにつき独立した式が1つ必要です。節点の法則を1つを除く各節点に使い、未知数の数に達するまで閉路の式を加えます。同じ閉路から得た追加の式は独立でなく、助けになりません。
直列・並列の式ではなくキルヒホッフを使うのはいつですか?
複数の枝に電源がある場合や、抵抗器の組が同じ2つの端点も分岐のない1本の経路も共有しないブリッジ回路などです。直列・並列にまとめられるなら、そのほうが同じ答えを早く得られます。