クーロンの法則を直感で理解する:電荷、力、電場

風船を髪にこすり付けると、壁にくっつくことがあります。プラスチックのくしを乾いた髪に通すと、机の小さな紙片を持ち上げられます。くしと紙をつなぐものは見えませんが、空間を隔てて引く力が働き、近づくほど強くなります。
それが電気力です。クーロンの法則を使えば、電荷の量と、特に距離によって力がどう変わるか計算できます。以下では、真空または空気中で静止した小さな電荷を仮定します。
電荷は数えられる量
電荷には正と負の2種類があります。同じ符号どうしは反発し、異なる符号どうしは引き合います。陽子は正の電荷1単位、電子は負の電荷1単位を持ちます。この単位が電気素量です。
2019年の国際単位系改定以降、この値は定義により正確です。物体の電荷は電気素量の整数倍で、1クーロンはおよそ 個分の電気素量に相当します。
電荷は保存もされます。風船を髪にこすっても、電荷を新たにつくってはいません。電子を移しているのです。一方が得た分を、他方は失います。中性の物体にも電荷はありますが、正負の量が等しくなっています。
クーロンの法則:式と単位
1785年、Charles-Augustin de Coulombは、ねじりばかりで測った、電荷を帯びた小さな球2つの反発力を発表しました。APS Newsの記事によると、力は球の中心間距離の2乗に反比例しました。
現代の表記では、2つの点電荷 と が距離 だけ離れている場合、
です。 はニュートン、電荷はクーロン、 は中心から中心までのメートルで表します。クーロン定数 はクーロンとメートルからニュートンへ変換します。
ここで は真空の誘電率です。有効数字4桁なら になります。OpenStaxのクーロンの法則の節にも同じ式があります。
絶対値記号があるため、この式が返すのは力の大きさだけです。反発か引力かは電荷の符号で決まり、力は必ず2つの電荷を結ぶ直線上に働きます。
距離がとても重要な理由
があるため、距離は結果に大きく影響します。間隔を2倍にすると力は4分の1、3倍にすると9分の1です。
次は直感的な説明であり、証明ではありません。電荷の影響が全方向へ均等に広がると考えます。距離 では面積 の球面に分布します。 を2倍にすると面積は4倍で、各部分に届く量は4分の1です。球面に現れる は、 にも含まれます。
距離の2乗は、風船が壁にくっつく理由も説明します。中性の壁の電荷が少し移動し、風船と異なる符号の電荷は近く、同じ符号の電荷は遠くに寄ります。距離で力が大きく変わるため、近いほうの引力が遠いほうの反発力を上回り、風船がくっつきます。
計算例:同じ電荷を持つ2つの球
2つの小さな球がそれぞれ を持ち、 離れています。1マイクロクーロンは なので、それぞれの電荷に を代入します。
両方とも正なので反発します。各球には互いから離れる向きに約0.40 Nの力が働きます。およそ質量40グラムの物体の重さに相当します。
間隔を にすると、距離は2倍で力は4分の1の です。最初から計算し直す必要はありません。
計算例:電気力はどれくらい強いか?
水素の電子と陽子がボーア半径だけ離れているとします。 で、原子の基底状態における代表的な距離です。電荷の大きさはそれぞれ です。
同じ粒子の間の重力には、、、 を使います。
電気力は重力のおよそ 倍です。両方とも に比例して減るため、この比は距離を変えても同じです。
それなのに、なぜ地球の重力は人を地面に引き留め、月を軌道に保つのでしょうか。通常の物質はほぼ完全に中性だからです。陽子に電子が対応し、巨大な電気的引力と反発力はほとんど打ち消し合います。質量には負のものがないので、重力は打ち消されず、惑星のすべてのキログラムが引力に寄与します。
向きを決めてから足す
電荷が複数あれば、各組はほかの電荷が存在しないかのように相互作用します。合力はベクトルの和です。これが重ね合わせの原理です。
3つの電荷を直線上に置きます。
- を に置く。
- を に置く。
- を に置く。
に働く合力を求めます。ほかの電荷からの距離はそれぞれ です。計算前に向きを決めましょう。 と は正なので、 は を 方向へ押します。負の は を自身へ引くので、こちらも 方向です。
2つの結果を足すので、有効数字4桁を保ち、 を使います。
同じ方向へ働くため、大きさを足せます。
に働く合力は右向きに約4.49 Nです。物理的な関係から向きを決め、式は大きさだけを与えました。
力から電場へ
クーロンの法則は2つの電荷の組を扱います。電場は1つの電荷の周囲の空間を表し、小さな正の試験電荷 に働く単位電荷あたりの力です。
単位はニュートン毎クーロンで、正の電荷が押される向きを向きます。クーロンの法則の式を試験電荷で割ると、点電荷 の電場は次のとおりです。
距離 で、電荷が の場合は、
です。試験電荷を置くかどうかにかかわらず電場は存在します。1度求めれば、 からそこに置いたどの電荷に働く力も得られます。例えば別の の電荷には、最初の例と同じ0.40 Nが働きます。負の電荷には電場と逆向きの力が働きます。
電気力線は正電荷から出て、負電荷へ入るか無限遠まで伸びます。ある地点の電場はそこを通る線の接線方向で、線が密な場所ほど強くなります。電場の向きは各地点で1つなので、線は交わりません。孤立した電荷の周りでは、同じ数の線が各球面を通り、密度は に従って減ります。ここでも逆2乗です。
次に扱う電位は単位電荷あたりのエネルギーで、単位はボルトです。直列回路と並列回路のガイドに出る電圧は電位差です。
クーロンとニュートンを並べる
2つの法則は
です。どちらも元となる2つの量の積に比例し、距離の2乗に反比例して小さくなります。違いは符号です。電荷は2種類、質量は1種類なので、電気力には引力と反発力がありますが、重力は引力だけです。強さの差は、上で計算したおよそ 倍です。
ニュートンの法則を使えば、クーロン力もほかの力と同じように加速度へ変換できます。第3法則も成り立ちます。3つの電荷の例では、 は を同じ2.696 Nで押し返します。 の電荷が3倍でも同じです。円運動のガイドでは重力が軌道の向心力になることを示し、水素のボーアモデルでは、電子に対してクーロン力が同じ役割を果たします。
失点につながるミス
- 距離を2乗し忘れる。 最初の例で0.090ではなく0.30で割ると、0.40 Nではなく0.12 Nになります。
- 単位を換算しない。 マイクロは 、ナノは 、30 cmは0.30 mです。両方の電荷をマイクロクーロンのまま使うと、力は 倍も大きくなります。
- 符号を向きだと思う。 と の符号付き積は負なので「左向き」に見えるかもしれません。しかし意味するのは引力で、 へ向かう引力は右向きです。左向きとしてしまうと4.49 Nではなく約0.90 Nになります。
- 違う向きの力の大きさだけを足す。 力が同じ向きなら直接足せますが、直線上で反対なら引き、斜めなら成分に分けます。
- EとFを混同する。 単位N/Cの電場は空間の地点に対応し、単位ニュートンの力は特定の電荷に働きます。
最初の2つは数学のミスです。実は数学のミスである物理の間違いでは、単位の接頭辞と10の累乗を扱っています。
法則を実際に使う
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計算する前に各力の向きを決めましょう。次に距離を確認します。メートルで表して2乗します。クーロンの法則では、ほかのどの項よりも距離が結果を大きく変えます。
よくある質問
- クーロンの法則を簡単に言うと何ですか?
- 電荷を帯びた2つの物体は、電荷の積に比例し、間の距離の2乗に反比例する力で押し合うか引き合います。同じ符号の電荷は反発し、反対符号は引き合います。距離を2倍にすると力は4分の1になります。
- クーロンの法則ではどの単位を使いますか?
- 力はニュートン、電荷はクーロン、距離はメートルで表します。クーロン定数kは約8.99 × 10⁹ N·m²/C²で、結果はニュートンになります。代入前にマイクロクーロン、ナノクーロン、センチメートルを換算してください。
- クーロンの法則を発見したのは誰ですか?
- Charles-Augustin de Coulombが1785年に発表しました。ねじりばかりで電荷を帯びた小さな球2つの反発力を測り、力が球の中心間距離の2乗に反比例することを見いだしました。
- 電気力と電場はどう違いますか?
- 電気力は特定の電荷に働き、単位はニュートンです。電場は単位電荷あたりの力で、単位はニュートン毎クーロンです。その地点に置いた電荷がどんな力を受けるかを表します。電場に電荷を掛ければ、その電荷に働く力が得られます。
- 電気力は重力より強いですか?
- 電子と陽子の間では、電気的な引力は重力による引力の約2.3 × 10³⁹倍です。一方、人や惑星の規模では重力が支配的です。通常の物質はほぼ電気的に中性で電気力は相殺されますが、質量は常に足し合わされるためです。


